声が聴きたい


手を大袈裟に振りながら「イヤだな、あたしこそ、ごめんなさいなんだよ、和にも佐藤くんにも無神経なこと、言ったなぁって。ごめんね?」と謝ってくる。


「最初の始まりがどんな会話からかは知らないけど、和が一人で盛り上がったのが悪いんだ、安藤が気にすることじゃないし、俺も、全然問題ないから。な?」


「うん、そういってもらえて助かる、ありがとう。優しいよね~~佐藤くん。」


「でも、恋愛対象外なんだろ?」少し意地悪い質問だけど、ポロッと出てしまった。


ハッとした顔を直ぐにいつもの明るい笑顔に変えて「そうなんだよねぇ~~なんか、何かが違うのよ」と楽しそうに言うから、この会話をふらなきゃよかったと後悔。


「ま、お互い様ってことで、おしまい、ね?」スッキリサッパリした顔で言われて静かに同意した。

**********

秋になり文化祭、体育祭と1つづつ行事が終わり、受験モードが色濃くなった。


安藤の成績は少し上向いて模試では60%まで上がってきた。


そして、冬。


クリスマスだけは1日遊ぶと決めた俺たち。


安藤は家族と過ごし、俺は結局、トレーニング以外はダラダラしてた。




< 142 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop