声が聴きたい
「ぁあっ、か、ずっ!」「っん……」
ようやく二人が繋がったとき、何とも言えない幸福感に包まれた。
和希の顔を見ると、眉間のシワはなくなり、やはり幸せな微笑みを俺に向けていた。
「和……動くよ?」「うん……」……それから俺が果てるまで、そう時間はかからなかった……『悔しいけど……仕方ないか……今度は和を気持ちよくさせたいな……』なんて思ったのはさすがに正直に言えなかった。
そして繋がりをといた後、自分の処理をしてから力の入らない和希を拭いてやり、ベッドのシーツをチラリと見てみた。
二人のアトがついてないか……
ほんの少しだけ、赤いシミがあったが、横になるのに気になるほどは濡れてなかった……
それから、二人で抱き合いながらしばらくまったりしていたら、外が暗くなっているのに気がついた。
「夕飯、どうする?」「作る、いい?」と会話してゆっくり身支度をした。
家にあるもので、簡単に夕飯を済ませて、8時前に佐藤家に送り届けた。
インターフォンをならす前、「これからも大切にする、よろしくな?」とおでこにキスをした。
すると、珍しく「わたしも、秀くん、大切です、ありがと。」とキスを頬に返してくれた。