声が聴きたい


希美花に待ち伏せされたことは、両親と秀家族に伝え、更に気を付けようと言うことに。

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七月のテストがもうすぐになると、テストだけは参加して留年をしないよう、学校側と話をしたらしい。


学校側も、成績優秀な和希を手放したくないらしく、上位になることを条件に夏休みまでは、通学しなくてもいいと許可してくれた。


秀は、この時期のバイトをせずに、和希とひたすら勉強していた。


俺はそこに参加したりしなかったりだが、トレーニングを余り遅い時間にしないよう、夕方に済ませるようにした。

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他称side

退院後、初の通院日、来週月曜からテストが始まるという、金曜日。


母と二人でタクシーを使い病院へ向かった和希。


聴力は右はかろうじて聞こえる程度で、左はまだ戻らず、食欲に関しては夏場ということも重なり体重の減少がはっきりあるので、しばらくは通院で点滴を受けることとなり、投薬も追加された。


会計を待っているとそこには、奇しくも癌の治療のために紹介された医師の元に来た希美花が居り、和希との母娘の対面になってしまった……

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