声が聴きたい
で、まず自分の席に鞄をかけて座らずに周りに挨拶しながら和希の席に行く。
和希を座らせて、HRが始まるまでの少しの時間一緒にいて、予鈴がなると『チュッ』と額だったり頬だったり、時には唇にキスをして和希の顔を真っ赤してから自分の席につく。
このこととかで和希がからかわれることはなかったが、中には、極稀だけど妬んだような言葉や視線をぶつけてくる女子もいた。
そんなときは秀が自分に出来る限りの方法で和希を守ってくれる、けして、離れることなく。
だからかな、抵抗しないが慣れることもなく、いつまでたっても恥ずかしがってる和希をみても、キスを止めさせるまでには至らない……見えてしまう周りは毎回照れてるけどね。
今年はクラスが違うからどうするのか、廊下に寄りかかりながら見ていた。
教室をチラッと覗き、一緒に入っていく。
和希の鞄をかけさせると、座らせずにまた廊下に連れ出した。
廊下の教室側の壁(窓か?)を背に和希を囲いこみ、なにやらこそこそ耳元で話してる。
見える和希の耳はそれだけで真っ赤。