声が聴きたい


和希は微かに頷いたりしてる。


予鈴がなった。


秀は和希の腰を抱き寄せてから唇にキスを落とす。


深くはないけど、『チュッ、チュッ』と何度も角度をかえて……。


呆れた俺が「……秀っ!、坂下来るぞ」と声をかければ、いきなり始まった堂々のキスに思わず見いってしまってた同級生達が、我に返り先に動き出す。


肝心の秀は「ん、可愛いな……」なんて真っ赤な和希の頭を撫でてる。


「先行くぞっ?」と言えば「じゃあ、和、またな」とうつむきながら教室に入る和希を見送りこちらにようやく向かってきた。



「あぁ~和、大丈夫かなぁ」と心配そうに言う秀。


「安藤さんだっているし、和もだいぶ強くなった、大丈夫だろ……心配なら、余計な種まいてくんなよ……」


確証はないから絶対と言い切れないのが悔しくて、すこし八つ当たり気味な俺。


席につくと直ぐ担任の国語教師、坂下が入ってきた。


今日はいきなり年度初めの学力テストだ。


3教科終わらせてやっと昼、合間はさすがに4組に行かれなかった。


4組まで和希を迎えに行った。





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