声が聴きたい
「なぁ、今日の英語のヒアリング、簡単じゃねぇ?1年と問題間違ったり、とかないよなぁ?」と俺が聞けば「確かに……まぁ、間違っちゃいないだろうけどさ」と秀。
そんな会話をして、ようやく食べ終わって片付ける和希を待ってたら、ラウンジに珍しく1年生が数名入ってきた。
そいつらは賑やかに会話しながら進んでいて、ちょうど、歩き始めようとテーブルの横に出てきた和希とすれ違う時、「アハハハッ!」と笑いながら後ろ向きから前に向くように体を回転させながら歩く女子生徒とぶつかった。
「……っ!」和希の直ぐ後ろには当然秀が居たから、ふらついた和希をちゃんと支えたが、手に持っていた手提げは和希達の少し後方にすっ飛んでしまった。
『カシャカシャンッ!』と派手な音をさせて落ちたそれを、振り返り確認する和希達。
俺はテーブルはさんで正面にいたから一部始終を見てた、訳だけど……
「いったぁ~い!何ボォ~ッとしちゃってんのぉ?まじ、なんなわけぇ、アザになるかもぉ」なんて大袈裟に左手をさすってる。