声が聴きたい


「あっ、は、はいっ……す、すみま、せん……」オドオドビクビクしながら、慌ててしゃがみこみ袋を手に取ってはたいて差し出してきた。


左腕で和希を抱えていて、振り返ろうとモゾモゾしてる和希をものともせずに、右手を差し出してそれを受けとる。


が、直ぐに俺に向かってよこし、「中が平気か見て」と言ってきた。


「りょ~かい」と、受け取りテーブルに弁当箱を出して割れたりしてないか見る。


その間、1年生グループはソワソワと落ち着かない様子でこっちを伺ってる。


「あ~……俺の箸ケースが割れてる……ん、その1個だな」


「あっ、すいませんっ!!えっと……べ、弁償しますんで……許してくださいっ」とすでに泣きそうな声で頭を下げてきた。


「もう、これ以上関わりたくないし、そんな風にコロッと態度かえちゃって、今度は俺らが虐めてるみたいでイライラするよ、だから弁償なんていい……その代わり二度と俺らに話しかけんな」と秀が言い捨てた。


「あ……で、でもっ!」とまだ何か言いたそうなそのグループを無視し、「お騒がせしましたぁ」と声をかければ、「おうっ、気にすんな」や「お疲れぇ」など返ってきた。


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