声が聴きたい
和希は不安を抱えて緊張しながら過ごしてはいるが、『非常識』『ワガママ』にならないように常に自分を律することを心掛けている。
今回のことは今さら1年を探して『ケガ大丈夫?』などと聞いてもかえってその1年がイヤな思いをするかもしれないと、そんなことをするのは自己満足だけだろうと、折り合いをつけたんだろう。
「二人で行ってきな。ん~今までのとおんなじタイプのでいいよ。あと、あんな自分勝手なやつの心配、もうすんな、大丈夫だから。」と返事する。
「うん、分かった……秀……デートだ……」落ち込み気味だった表情を、切り替えたのか、笑顔にして秀を見る。
「ん、デートだな。やったね。あ、前に言ってケーキ屋行こうか」
4組の前に着くと午後のテストまであと数分と時間が迫っていた。
「なら、和、帰りに迎え来るからちゃんと教室の前で待ってろよ?」頷く和希を確認してから俺と秀は2組に急いだ。
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ラウンジで「松田が」などと有名だったのは去年1年間の間に、和希に絡んだ連中に対して毎回、激昂し、相手を排除してきたからだった。