声が聴きたい
お目当ての店を予測して、エレベーターで三階を押す。
そして和希の目をみるとニッコリ、縦に首を振った。
俺は後ろに回り、和希を抱き締めた。
後ろからこめかみや頬に『チュッ』とすると恥ずかしさで頭が下がってきた。
直そうとしたが、三階に直ぐ着いてしまって残念だ。
左手を繋いで店に向かう。
すると手をクンクンと引っ張るから「ん?」と顔を覗きこめば、「秀……顔、熱い……」と真っ赤な顔で見てくる。
まためちゃ可愛い顔をみたら、キスしたくなって、方向を変えてトイレに向かう通路へ行く。
「?秀……トイレ?」トイレまではまだ距離があるところで立ち止まり隅に和希を追い込んでから「違うよ……和、可愛い……」……
『チュッ』と最初は可愛らしいバードキスから……何度か角度を変えてから、唇を食んで舌で舐めて……それが何の合図か解って和希の可愛らしい唇が開く。
俺は二人の鞄は足元に落とし、頭と腰を支えて深く長いキスを繰り返す。
口内で絡まる舌、熱くなる息、鼻から抜ける甘い声、聞こえる濡れる音……
夢中になって和希を求めていた。