声が聴きたい
和希に余計な負担をかけたくないからだ。
俺も和希が他の男と目が合うのはイヤだから。
それに、女は、あんまり……ってやつほど自分に無駄に自信があるが多くて、無駄な口をたたく。
放たれた言葉は嫌でも聞こえてしまうが、そんな言葉で和希を傷つけないためにも、俺が和希しか見えてないってことを回りはもちろん、和希自身にも伝える。
店を右腕で腰を抱きながらピッタリ引っ付いて歩く。
で、商品を和希が見易いように、俺が左手で鞄を2つ。
こういったとき、和希は必ず「ありがとう」を言ってくれる。
些細なことでも、例えばさっきのバスで支えたときも。
そんな和希が俺は大好きだ。
店の中ほどになんか気になる物を見つけたらしく、「秀……ちょっとだけ、じっくり見るね?ありがとね。」と言ってきたから「いいよ。気が済むまで悩んで」といって笑った。
和希はかなり、じっくり考え抜くタイプみたいで、頭でいろいろシュミレーションしながら決めていく。
時間はかかるが、これと決めたら長く長く大切にする。