声が聴きたい
『その友達』と言うのが松田君だと理解し「うん、分かる。」と返した。
「あたしのことはさ、加奈子でいいからね?よろしくね、和!」
「うん、か……加奈子、ちゃん、ありがと。」
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そんな出会いから四年間、ずっと親友だ。
和に対する最悪の思い込みは瞬く間に消え去り、今では松田君や佐藤君に負けないくらい、愛しちゃってる。
和の見た目はあれから益々磨きがかかり、可愛いだけでなく綺麗さも加わり、最近は大人っぽさと、色気も出てきた。
中身がまた、最高。
自分の難聴を『短所』ととらえて、それを人を思いやり、周りを良く観ることで補おうと常に努力している。
人見知りであり、難聴により話し方がゆっくりであることは、人を消極的にしてしまうところだが、和はあえて人と関わりを持とうとする。
優しく温かく、弱い自分を理解し、しっかりと自分の意思を伝える、そんな和だから、養子であることなどの家族関係や、難聴などマイナスになりそうなことなど些細なことになり、人を惹き付ける。