声が聴きたい
学校の体育館にクラス分けが張り出されており、で、そのまま体育館で整列、始業式になる。
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ざわつく掲示の前に3人で行くと、知り合いなどから「おはよー」やら「また、同じ」やら言われる。
ようやく2年の掲示前に出た俺らは真剣になって探す。
「あっ…………」小さく和希が呟いた。
「どこ?」
「わたし、4、くみ。ふたり、2、く、み……」
そう言って項垂れてしまった。
それを聞いて確認「マジか……」思わず秀と二人で呟いた。
人混みを抜けて、まだ、始まらないのをいいことに、体育館の端に3人で移動する。
壁に寄りかかりながら和希を引き寄せ、自分の胸に頭を着けさせて抱き締める秀。
162㎝の姉貴と177㎝の秀と俺。
目立つ、らしい。
でも、今はそんなことには構えない。
和希の気持ちを落ち着かせなくちゃ。
寂しいよな、そりゃね。
すぐ側に立ちながら、和希の背中を、小さい子にするように、トントンとする俺。