声が聴きたい
「加奈子さん、煩い……」ジロッと睨まれ「はい……すみません……で、でもさ、和が話したいことってさ、佐藤君サイドからの情報なんじゃない?」って聞いてみる。
「あ、うん……情報、ってほど、でも……えっとね。……」
和の話は……佐藤君の所にその三浦君と松田君と、あと金辺君が遊びに来たとき、おやつを持っていってあげたら引き留められ質問攻めにあった。
内容は凛に好きな人や彼氏は居るのか、好きなタイプは、好みの食べ物や欲しがってる物は……
そして、質問をしてくるのは主に佐藤君と金辺君で和が答える度にチラッと三浦君を見ていた……
和は、凛が困ったり傷ついたりしないように、言葉を選んで答えたつもりだが、居ないところで凛を知った風に質問に答えて、「ごめんなさい」と言って、話を終えた。
一言も聞き逃さないよう、また、一言も発することの出来ないまま話を聞いていた凛が「ん、それは……だいじょぶ……」とぼそっと返した。
「和はその時にどう感じたわけ?」あたしが聞けば……
「三浦君……顔色、赤らめたり、考えたり、真剣、だった。」