声が聴きたい
ワンピースの丈は膝上でスラッとした白い足が見えてるし、首もとは広く開いていて、前に秀に貰ったって言ってたハートのネックレスをしてた。
「あら、可愛いじゃない、それ、優一からのでしょ、全体的にまとまってていいわよ、和。」
母さんがそう言ってやると、ようやく納得したのか、薄く化粧した顔をほんのり赤らめて、微笑んだ。
「ありがと、お母さん、お母さんにそう、言ってもらえると、ほんの少し、自信、出る。」
可愛らしさの中に女らしさもあって、つい、ぼ~~っと見てると「ほら、優一も言葉がないみたいよぉ~」なんて耳元で母さんの声。
びっくりだ……
「べ、別に……似合ってるか見てやってただけだし……」顔に熱をもったまま視線を外した。
「優、大丈夫、かな?」
少し不安げに聞いてくる和希に顔は見ないまま「ん、いいんじゃん?秀が好きそう」とだけ何とか答えた。
「そっか、よかった……優にそう、言ってもらえると、心強い、じゃあ、行ってきます」
和希が玄関に向かった時、ちょうど、インターフォンがなった。