声が聴きたい
俺がケースからリングを抜き取り「和、左手出して……」と言うと、パッと顔を上げる。
「左手、いいの?」微かに震える声で聞いてくるから「それしかないだろ?違う?」って嬉しさと恥ずかしさを隠すため強気に言ってしまう。
「う、うれ、しぃよ……ん、左手、」出された左手も僅かに震えている。
左手で支えて、右手で薬指に入れてやる。
左手を蕩けるような顔で見つめる和希。
そこにはハートをかたどったムーンストーンのついたリング。
「俺が18になるまでは、仮の約束になっちゃうけど、それでも、どんなことがあっても、これから先、和と一緒にいるから。俺の気持ちの証だから。」
「ん、うん……ありがと、大切に、するね。私も、何が、あっても、秀……だけ。傍にいさせて、」
それから、涙がようやく落ち着いた和希と出されたドルチェを食べて店を出て、10時前、オシャレなブティックホテルに入った。
リングのこともあり、二人して高まって、いつもより激しく求め合い、愛し合い午前1時すぎに、和希を家まで送った。