声が聴きたい
小学2年・夏休み
「なぁ~、母さん、和希がこっちに戻るのいつだっけぇ?」とでかい声で聞けば「朝からうるさいわねぇ……えぇと、たしかね、20日って、あら、一昨日だわね?」と首をかしげてリビングのカレンダーを見る。
「だよね?おれ、昨日電話したんだ、宿題も聞きたかったしさ、千葉のお土産さ!渡したかったし。でも、だぁれも出ないんだよ?」
俺が一生懸命、母さんに伝えると、「お父さんに聞こうかしら……ううん、行きましょう、優一。支度して頂戴。」行動の早い母さんは不審だと思ったのか、近所に住む従姉妹の家に様子を見に行くと行ってくれた。
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俺、優一の父さんと和希の母さんが兄妹で、俺達家族はじいちゃんとこの家に住んでて、和希たちは10分位離れたところにマンションを借りて住んでる。
和希の父さんは今、単身赴任ってやつでアメリカらしい。
和希の母さん、希美花(きみか)叔母さんは夜、喫茶店ていうよりスナックみたいなとこで働いてる。
だから、夕方から夜ご飯まではたいてい家で一緒で、親友の秀と3人でご飯を食べて宿題をする。