声が聴きたい
この生活は和希が小学1年の秋からだ。
叔父さんの単身赴任が決まって、二人は心細いしって、隣の県から越してきた。
二人しか居ない従姉妹が近所に来てくれて俺はメチャメチャ嬉しかった。
学校が長期の休みになると、和希は叔父さんの実家がある九州に遊びに行く。
その間は少し寂しいけど、前はここにもそうゆう休みにしか来てくれないことがほとんどだったんだから、ずっとましだ。
和希は明るくてよく笑う。
で、とっても真面目でお出掛けとか食事とかではいっつも誉められてる。
そして、めっちゃ可愛い!
秀なんかいっつも、デレデレした顔で「可愛い~」ばっかり俺に言う、本人の前じゃカッコつけてるけどね。
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一昨日の夕方には九州から帰ってるはずの和希と連絡が取れない。
朝の9時すぎ、母さんと俺は自転車で行くことにした。
すでにギラギラした太陽の陽射しで暑い。
5分もしないで和希の住んでるマンションに着いた。
ここの3階に住んでいる。
エレベーターで上がり、玄関前に走る。