声が聴きたい
まずはインターフォンを鳴らしてみる。
何の応答もない。
「希美花さんは普段なら寝てる時間よね……和希ちゃんはキチンとした子だもの、一人で起きてるはずよねぇ……」母さんが呟く。
「母さん、鍵、持ってきたんでしょ?開けてよ!」もし、叔母さんに怒られたらその時に謝ればいい、今は和希が気になって仕方がなかった。
開けて入るとムァっとした空気が外に溢れてきて、室内は静かだった。
「和希っ?どこ?!」「希美花さぁん?急にごめんなさいねぇ?」母さんと二人で声をかけながらリビングまで進む。
カーテンが閉まっていてとにかく物音がしない。
俺はリビングから玄関に戻りながらトイレや和希の部屋を開けて覗いた。
「いない……」ちょうど俺が呟いたとき「和希ちゃんっ!!」叫ぶ母さん……
俺は急いでリビングに戻りながら「母さんどこっ?!」と声をかける。
「優一っ、キッチンよっ!和希ちゃんっ、しっかりしてっ!」
リビングの横にあるキッチンへ行くと……
床に小さくうずくまり気を失っている和希が居た。