声が聴きたい
なぜ、和希が不安定な様子なのかは、俺らの過去を後で話せば解ってもらえると思う。
まぁ、今現在の直接的な原因は、難聴気味だから。
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俺と秀のいる2組は理系クラスになるらしい。
そういや、調査表を出した、かな?
……じゃあ、文学部希望の和希とは、絶対同じになれなかったんじゃんか……朝から期待して損した。
担任の話を聞いて、しばらくして今日は解散だった、すぐ、秀と4組に向かう。
うちの学校は廊下に面した教室の壁にも、出入り口みたいに窓がある。
だから、中がよく見える。
後方から覗きこめば、真ん中らへんに和希が居た。
真剣に書き取ってる。
あ……終わったらしい。
『起立……(ガタガタッ)礼ッ……』ほぼ無言で頭を下げるみんなに混じり和希も挨拶する。
『ガラッ』と扉を開けると「お~優~」と声をかけてくる友人数名。
ほぉ、こいつらと同じなんだな、よし、後でメールしなきゃ。
秀は、そんな奴等には軽く手を振り、すぐ様和希の側に行った。