声が聴きたい
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親達が和希の両親に連絡をとろうと色々したみたいだけど、父親とだけ連絡が取れた。
実は先月、離婚届を提出していて、九州へも、今回が最後だったことがわかった。
そして、親権は母親にある、父親は今日明日はアメリカからは戻れないって。
希美花叔母さんとは連絡が取れないままだった。
書き残された手紙には……
『和希、私はもう我慢が出来ないので好きな人の所にいくわ。信吾が出張になりやっと自分のためにお金も時間も使えると思ったけど、稼いでも和希に使わなきゃいけないし、自由に出歩けないし、ほんとに疲れたわ。もう、考えるのも嫌よ。和希、私の人生、ジャマしないでね。』
そして五万円、『これが最期。』と書かれていた。
希美花叔母さんと、俺の父さんの父親であるじいさんは泣いてた。
もともと、俺の父さんが学生時代から付き合ってた母さんと、結婚しそうだと分かって、慌てたように当時付き合ってた板谷信吾叔父と半年ほど早く入籍し、かなり盛大に式を挙げたらしい。
自分本意な性格で、楽しいときはいいが、面倒事は放り出して逃げてしまうタイプだったそうだ。