【短編】紅葉の思い出


引っ越し当日。

彼と少しだけ話した。

たった数分だったけど、
私にとっては大切な時間だった。


最後のとき、彼は私に1枚の栞を渡した。

その栞には、前の日に彼が拾っていた紅葉が挟んであった。



『また、帰ってくるから』



そう言い残して、彼は私の隣から姿を消した。



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