甘くて苦い彼。



私と悠里が出会ったのは今から四ヶ月前の冬の日のことだった。


外には雪がちらつくような、そんな寒い日で。



街はクリスマスムード一色で赤や黄色、緑の電飾が眩しいくらいのときだった。







「ルカ、こいつを頼む!」


そう一言、いつもまともに家に帰ってきたこともないようなくらいのお兄ちゃんが息を切らして横抱きにして抱いてきた弱弱しい今にもどうにかなってしまいそうな人、それが悠里だった。




お兄ちゃんの手からスーツから鼻を鋭く刺す独特の香り。


弱弱しい呼吸にうめき声。




「お兄ちゃん、その人・・・」


脳内をかすめる断末魔のような声に真っ白になって状況が理解できなくなっていく。



「ルカ!早くタオルだ、タオルもってこい!」



「うん」


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