甘くて苦い彼。
キーンコーンカーンコーン...
「じゃあ、これでホームルームは終わりだ。起立!礼」
いつもの一日が終わりを告げた。
周りも次々と部活やら帰る準備やら掃除に向かう準備やらをし始めるなか、私も長時間椅子に座っていたせいで重くなった体を無理やり立たせる。
「ねぇねぇ?今日、ルカ遊ばない?」
「行こうよー?」
肩をたたかれた背後にいたのは友達の奈央と芽衣だった。
綺麗に整えられた髪型とそのふわっと香る香りは本当に女子らしいの一言で。
「ああ、ごめん今日パスだわ。また今度!」
「分かった~じゃあまた今度ね!」
「ごめんね」
と、二人にに謝るとバックの取っ手をつかんだ。今日もまた私は行かなくてはならないのだ。
あの場所に。