甘くて苦い彼。
「まあちゃんと起きろって言っても無理だとは思うんだけどね」
そこにおいては悠里だし。
絶対かわされて勝てるわけがない。
二人分の洗濯ものを干すのにももう慣れた。一応悠里でも最初のうちは自分のパンツを私に干されることが恥ずかしがってたみたいだけど今じゃお手のまま。
もとからお兄ちゃんがいたから男の人のパンツとかに何も抵抗もなかったんだけどさ。
洗濯物を急いで干してから悠里を叩き起こしにいくとやっぱり彼は二度寝してて。
ここまで堂々とされるとこっちがひかざる負えない。
「悠里、起きて?」
始めは優しく揺さぶる。
起きる気配なし。
「悠里?」
次に悠里の布団を少しはがす。
まだ寝ようとしてるし。
「おい悠里!おきろ!!」
布団を全部引きはがして枕ごと取り上げた。
「おはよう、ルカ。荒っぽいルカもいいと思うよ」
目の前の笑顔が今日も眩しくて…。
「悠里朝ごはんできてるから早く来て。私食べたら今日早くいかなきゃだから。よろしく」
足早に階段を下りる。
鼓動の音がうるさかった。