甘くて苦い彼。



智也と私はまだ記憶がはっきりしていないころからの幼なじみ。



気づけば私の隣には智也が。

そして智也の隣には私がっていうそんな関係。



でも私たち二人はこんなふうにずっと一緒にいたわけじゃない。



智也は公立の中学校だったけど私は私立の中学校でそこから分かれていた。





私がこっちに戻って来たのは高校一年の中途半端なとする十一月頃。




あのころ空っぽで塞ぎ込んでいた私に奈央と芽衣と紹介してくれたのはあの智也だった。



あの日から約半年。
この桜の季節にまた笑えるようになったのはあいつのおかげもある。






昔から警察一家で皆まっすぐで正義感の強い智也と小学生のくせに妙に大人びて強がっていたあの頃の私。


そこからすでにもういろいろなものが違かったんだと思う。





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