甘くて苦い彼。



なかにいる人たちは今日も着飾っててみんな綺麗でなんか浮いてるなぁと客観的になってしまう。


でも別に私の格好はここにいて浮くなんて姿じゃなくて普通で。





ばっちりの化粧に胸元でウェーブのかかった髪、肌の出たこの服という高校生らしさなんてないような見た目。



ただ少し珍しいのは高校用に合わせて染めたアッシュ系の暗めの茶色いこの髪くらい。



暗闇じゃパッと見目立たないけどそれでも明るいところで見ればこの髪は十分目立つくらい染めている。






鉄製の階段を登るカツカツともまた違う音になんだか悲しくなってきて三階まできたけど引き返そう。


・・・・としたときにとうとう見つかってしまった。





あの彼に。









「ルーカ」



甘ったるいオーラをだしているくせに甘くはない彼に。

















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