虹色の恋の唄。

「おはようー」

そんな声が飛び交う中、私は下駄箱へ向かう。

…え?

まさか、とは思ったけれど、私の上履きがなかった。

私はその場に立ち尽くしていた。

「ありがとうございました!」

背後からサッカー部の大きな声が聞こえる。

…と、あいつは…。

私の目線の先は、クラスに唯一のサッカー部員、

椎名 春人だ。

「あれ?高梨さん?
もうこんな時間だけどどうしたの?」

え、えっと…

私はいきなり声をかけられて、ふと目線をそらした。

上履き……

必死に振り絞った声でそう答えた。

「ちょっとまってて!」

そう言って椎名くんは駆け出して行った

いきなりどうしたんだろう


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