こんにゃく畑で殺されて
と、いよいよ自転車に乗れないぐらいによっぱらっており自転車を押しながら歩いていると、でこぼことした壁のくぼみからいきなり眼鏡のくたびれたサラリーマンが出て来たので、ひやぁなんて声が出ちゃう。

すれ違い、一体なんだったんだろうかと突如として出現したであろう壁の凹みを凝視するも立ち小便の痕跡はない。

さらに1メートルほど先のくぼみにもシャッターがあり、これも完全にしまっている。

見間違いかと後ろを振り返ることなんかは、、、しない。

家に無事にたどり着いたら。ツイッターにでもこの出来事を発表しようと思う。不思議なこともあるものだ。

別に多くの人に知ってもらう必要なんかない。数人、いや本当は1人で十分なのにな。などと思いながらこの前に見た三日月よりも少し太った曲玉のような月を見て思う。



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