鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*
秀麗は泣きながら話した。
未来には一人、兄がいるということ。
その人はこの男子校の3年だということ。
三人は仲の良い幼なじみだということ。
そして、
未来の“婚約者”であるということ。
「昔はさ、“秀ちゃん、秀ちゃん”って可愛かったんだぁ。」
それを聞いて、初めて来が口を挟んだ。
「じゃあ何でそんな未来を裏切るようなことしたんですか。」
来の中で、未来の変わり方にやっとつじつまが合った。
未来はただ、秀麗だからあんなになったんじゃない。
過去に、裏切られたからあんなになったんだ。
そして、名前を呼ばれることを拒否したのは、大切な人を傷付けられたんだ。
「それは婚約ということ?」
「他に何があるって言うんですか。」
来は冷たく言う。
秀麗はしゅんとなって、また出窓に座る。
「だよねぇ。
だって“みぃ”も、それから冷たくなったし。」
『みぃ』
二人は目を真ん丸にして驚く。
それに驚いたのか、秀麗も目を真ん丸にして驚く。
「未来のことをみぃって言ってたの。
ちっちぇえ頃に。
今でもつい言っちまうんだよなぁ。」
「じゃあなんで敬語なんすか?」
今度は那柚が秀麗に聞いた。
「みぃの母親に言われてさぁ。
あ、みぃんとこ継母なのね。
だから余計厳しくってさぁ。」
「結構大変なんすね、未来さん。」
那柚は何も違和感を感じていないらしい。
来はこんなにも違和感を感じるというのに。
未来には一人、兄がいるということ。
その人はこの男子校の3年だということ。
三人は仲の良い幼なじみだということ。
そして、
未来の“婚約者”であるということ。
「昔はさ、“秀ちゃん、秀ちゃん”って可愛かったんだぁ。」
それを聞いて、初めて来が口を挟んだ。
「じゃあ何でそんな未来を裏切るようなことしたんですか。」
来の中で、未来の変わり方にやっとつじつまが合った。
未来はただ、秀麗だからあんなになったんじゃない。
過去に、裏切られたからあんなになったんだ。
そして、名前を呼ばれることを拒否したのは、大切な人を傷付けられたんだ。
「それは婚約ということ?」
「他に何があるって言うんですか。」
来は冷たく言う。
秀麗はしゅんとなって、また出窓に座る。
「だよねぇ。
だって“みぃ”も、それから冷たくなったし。」
『みぃ』
二人は目を真ん丸にして驚く。
それに驚いたのか、秀麗も目を真ん丸にして驚く。
「未来のことをみぃって言ってたの。
ちっちぇえ頃に。
今でもつい言っちまうんだよなぁ。」
「じゃあなんで敬語なんすか?」
今度は那柚が秀麗に聞いた。
「みぃの母親に言われてさぁ。
あ、みぃんとこ継母なのね。
だから余計厳しくってさぁ。」
「結構大変なんすね、未来さん。」
那柚は何も違和感を感じていないらしい。
来はこんなにも違和感を感じるというのに。