鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*
「……っんなこと……そんなこと言うなんて、たとえ先輩でも、…李依菜様でも許せない!」

「ど、どぉしたの、未来。
落ち着いて、ね?」

突然取り乱した未来に、李依菜はすごく慌て、落ち着いてと言いつつも李依菜が一番落ち着いていなかった。
結局は恭夜が未来を落ち着かせたけど、未来は涙目、李依菜は未来に許せないと言われたことがショックだったらしく、二人とも何ともいえない状態だった。

そして一番最悪なのは、沢山の生徒がこの状況を見ていたということ。

「落ち着け未来。
今此処で問題起こす気か?
お前が守ってきた此処で!
問題起こすのか?!」

「……ッ、ゥッ……って、だって、おかっ…さんの…」

泣きじゃくる未来を、恭夜は優しく頭を撫でながら抱き寄せた。

「母さんの学校が、大好きなんだよな。
大丈夫、お前んとこの会長さんはそんなつもりで言ったんじゃねぇから。
ホントは分かってんだよな。
未来の……大切な人だもんな。」

未来は必死に涙を拭きながら、こくっこくっと頷いた。

「じゃ、謝れ。
ほら、会長さんがショックで死んじゃってんじゃねぇの?
俺以上に未来命だから。」

恭夜は軽く笑いながら、未来を李依菜の方へ向ける。
口から魂がでている状態であろう李依菜は、灰化していた。
< 22 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop