鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*
すると那柚はぷい、と後ろを向いた。
その行動に、恭夜はしょぼんとしながら来に向かって呟いた。

「もしかして俺、那柚くんに嫌われた?」

恭夜の様子と那柚の様子に、今度は来が笑った。

しかも、腹を抱えて......。

「アハハッ、ハハッ……超腹いてぇ!
那柚がそんな態度するからだぞ?」

そう言って来は那柚の肩をぐいっと回し、体全体を恭夜と秀麗の方へ向かせた。
那柚は抵抗するも虚しく、来に負ける。

『ぶっ
くっ……ははっ』

那柚の顔を見た瞬間、二人は腹を抱えて笑いだした。
それによりますます変化する那柚の顔。

「那っ、那柚かわいっ……、おま、かわいぃなっ。」

秀麗は、息をしているのか分からないぐらい爆笑している。
そんな秀麗を見て、恭夜までもが同じ状況になっていた。

「ホントっ……、かわっ、可愛すぎ……っ。
未来と同じぐらい可愛っ……。」

恭夜の印象はめちゃくちゃだ。
三人があまりにも笑うから、那柚はまたいじけてしまった。

「そんなに笑わなくったっていいだろ……それに……先輩達まで……。」

那柚は膝を抱えて座り込む。
それを見た来は罪悪感を感じたのか、那柚に謝り、那柚の過去について話した。















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