鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*
『あ゛』

秀麗(足を擦りながら)、来、乃谷は未来の方を一斉に見る。
すると心配した通り未来は起きてしまい、眠そうに目を擦っている。(那柚に至っては起きる気配すらない)

「ぅぅん。。。ぅ?
ぁ……、乃谷さん、兄がいつもお世話になっています。
後一年ですが、よろしくお願いします。」

未来は深々と頭を下げる。
寝起きだというのに、未来は寝起きとは感じさせない声で話す。
それにつられて、乃谷も頭を下げた。

「いやいや、こちらこそ恭夜には色々と手を焼いていま「「え゛」」

“手を焼いて”

の一言に反応した未来に、乃谷は

“しまった”

と小声で言い、大慌てで否定しようとしたが未来は軽く放心状態で聞いていなかった。

「秀ちゃんは………どうですか?」

未来は焦点が合ってないかのような目で、無表情で聞いた。

「ぇと、秀麗さんはとても良い方ですよ。
真面目だし……ね?」

「本当のこと言ってください。」

未来の目は焦点こそ合ってないが、真剣な目だった。

「秀麗さんは……女遊びが激しいです……。」
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