鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*
そんな回想シーンは、女子生徒の声で現実に戻される。
それはさっきまでとは全くの別人のようで、

「こちらに未来はおりませんか?
私、天城 杏華(アマギキョウカ)と言います。
未来はおりませんか?」

と涙目で聞いてきた。

「今秀麗といるけど入らないほ……

――ガラッ

……ぅが「「未来!」」
人の話は最後まで聞け!!」

乃谷は突っ込むが杏華はまるっきり無視し、秀麗から未来を引き離すと未来の肩をがしっと掴んで大きく深呼吸した。
そして、ゆっくりと話しだす。

「未来、落ち着いて聞いてね。
{あの人}に、……未来が欠席したことがバレてしまったようなの。」

それを聞いた瞬間、未来の涙はピタッと止まり未来は目を見開く。

「ぇ………。」

未来はしきりに首を横に振っている。
よっぽど信じたくないのだろう。

杏華の話は、カーテンの奥にいる恭夜達にも聞こえていた。
恭夜は一気に顔が真っ青になり、無言という状態だった。

「李依菜様は……?」

未来は首を振るのを必死に抑え、小さな声で聞いた。

「私ね、李依菜に頼まれてここに来たの。
だから大丈夫よ?」
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