鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*
「お前は何を知っている?
お前は私達の何を知ろうとした?
お前は“未来”の何を知っている?!」

未来は大きな茶色い目から涙を一筋流しながら叫ぶ。
游は何も言えなかった。

「少なくとも!
“未来”はお前を知ろうとした!
だけどその前に……お前らは“未来の最後の一つ”さえも奪った!!
お前らは自分の“汚い欲”のために、“未来”の信じようとする“心”さえも奪っていき、まだ“未来”を縛り続ける!」

最後に、

「“未来”は近いうちに、お前達全ての前から消える。」

と言って、倒れた。
游は何も言わず、帰って行った。

李依菜、愛、恋は、恭夜を呼び、恭夜と一緒に黒百合学園へと行った。
恭夜に抱かれている(横抱き)未来は相変わらず意識がなく、腕が力なく下で揺れていた。

いつの間にか日は暮れ始め、生徒達は下校していて、校舎内はしーんと静まりかえっていた。

「今校舎にいるのは俺達だけだから、何も気にしなくていい。」

恭夜は、初めて黒百合学園に来て緊張している愛と恋に言う。
神木家と親戚といっても、何か行事がなければ会うことはない。
< 48 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop