鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*

はろぉ、皆さま。

「初めまして、お母様。」






















湖都音の説得は全く意味がなかった。
あの後、

「私の我が儘だから。
私が挨拶をしないと。」

と言い、時間がないからと制服のままで未来は外へ出る。
湖都音は、

「未来は頑固だからさぁ、もう諦めな。」

と言って未来の後を追う。
未来とそれ以外の人に対しての態度の違いに、もう、呆れが混じった苦笑しかでなかった。

そして車の中では、皆重苦しい空気で終始無言だった。
最初は那柚の家だった。
勿論案内したのは……

















誰一人いなかった。
なぜ湖都音が那柚の家を知っていたのかは、恐ろしいからこの際皆聞かないことにした。
未来は、初めて見る一般の住宅街の景色に目を輝かせながら車中から見ていた。

そして、今現在に至る。

「初めまして、お母様。」

未来は軽く会釈しながら、ゆっくりとした丁寧な口調で挨拶した。

「………ねぇ、那柚?
あなたまさか白百合学園の子を騙したの?
ΩÅΩ;」

………………え?

皆唖然としていた。
未来の心配をして車からでた湖都音は、笑いを必死に我慢していたが。
そして当の本人の那柚は、遠いとこを見ていた。
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