鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*
未来が向かった先は、隣の男子校。

来が通っている男子校。
(未来と同じ小中高とエスカレーター式)

そして、

《本当の{鎖}》

があるところ。
いや、正確には“いる”ところ。
でも、まだほんの一部にすぎない。

「今日こそ、はっきり言わなきゃ。」

未来は固く何かを決意して、学校へ入っていった。
朝早く生徒がいないのはここも同じ。
未来は学園長室の前で止まり、ノックもせずに入った。

「朝早くにお仕事?」

未来は冷ややかな瞳で、目の前で裸で抱き合っている二人を見る。
女の人は焦ったり謝ったりする様子もなく、さっさと服を着ると出ていった。

「今の……今年入った人ですよね?」

未来の目の前にいる男は、

{本当の鎖}

のほんの一部。
男は未来に見られたことに慌てもせず、逆に偉そうに座っている。

「妬いてんの?」

確かに昔の私なら妬いていたのかもしれない。
でも、もう何の興味もあなたにはない。
今となっては、その質問は愚問にすぎない。

「どうしてあなたなんかに妬かなければならないんですか?」

未来は一切怯むことなく答える。
男は笑いながら未来に近付き、未来の長い髪の毛に触れる。
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