甘い愛で縛りつけて

気になる程度で止めておきたかった気持ちがいつの間にか進行してしまっていて、自分でもびっくりした。
独占欲だとか、そんなのまで感じるほど恭ちゃんを……その、好きになってるとは思ってもみなかったから。

恭ちゃんには、信じる時間をちょうだいなんて言っておきながら。
私が勝手に好きになって盛り上がっちゃうとかどうかしてる。

こんなにも早く……好きになっちゃうなんてどうかしてる。

今までの恋愛経験からしても信じられないほどのスピードに、頭が困惑してパニックに陥りそうになる。

恭ちゃんの事を知りたい。
そう思う気持ちが強すぎて、想いが大きく膨らみすぎたのかもしれない。

恭ちゃんには謎が多すぎて、そういうモノ全部を近づいて知りたいってずっと思っていたから。

だとしても早すぎるし、独占欲だなんて……と自分自身に呆れながらため息を落とした。

だからイヤだったんだ。恭ちゃんと接するのが。
こうなるのがどこかで分かってたから、少し距離を開けようと思ったのに。

まさか事務長命令でそれを阻まれるなんて思っても見なかった。

傍にいたらいただけ、話したら話しただけ、認めたくない自分の気持ちに気づくのが早まると分かってたのに。