甘い愛で縛りつけて


「残り時間、後二分じゃちょっと難しそうだね……。
小川さん、球技大会とか興味あったんだね。そんなに熱くなるタイプかと思わなかった」

生徒を、真面目な子とそうでない子で分けた場合。
茶髪のショートヘアにパーマをあてて、ピアスまで開けている小川さんは、完全にそうでない子よりだ。

だから、こういう学校行事とか興味ないかと思ってたのに。

意外に思いながら笑いかけると、鬼の形相で睨まれる。

「興味はないよっ! けど、相手は桜田率いる2組なんだからね! 負けられないじゃん!」
「あー……桜田先生のクラスが相手なんだ」

だからか。と納得して、再びコートに視線を戻した。

今日5月12日は、学校の球技大会。
種目は、バスケ、バレーボール、ソフトボール、卓球、バドミントン。
学年のクラスごとに争って順位を決める。

一位になっても賞状が出るだけだから、生徒からは文句も出ていたみたいだけど、こうして熱くなっている生徒を見ると、なんだか嬉しくなる。

……例え、理由が純粋な動機じゃなくても。


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