甘い愛で縛りつけて
「ジャージ姿がそんなに良かった?」
「いや、ジャージもいいんすけど、ほら、Tシャツになると下着透けるでしょ? あのチラリズムがぐっとくるんですよねー」
「……へぇ」
「しかもバスケとか激しい運動だと、たまんなくて……」
「もう終わったから大丈夫だよ。とりあえず出血が止まるまでは運動禁止。
まぁ10分もすれば止まるとは思うけど、その後もあまり激しい運動は避けた方がいいかな」
「あ、はーい。大丈夫です。オレ、もう出場種目終わったんで。後は応援だけっす」
「女子を見て違う鼻血出さないように」
「やだなー、センセー」なんて言いながら、男子が保健室を後にする。
……あの調子ならきっと出すんじゃないかな、また。
しかも違う意味の鼻血を。
でもそれくらいで鼻血出すならむしろ健全かもしれないけど。
呆れてため息を付いていると、シャっとカーテンが開けられて、不機嫌そうな恭ちゃんの怖い視線が突き刺さった。
「な、なに?」
恭ちゃんは答えずに近寄ると、無理やり白衣を開かせる。
「……え、え?!」
下はまだ下着姿だから、見られないように咄嗟にTシャツを伸ばして隠す。
恭ちゃんはそんな私をじっと見下ろしてから、怖い顔をした。