甘い愛で縛りつけて
「あいつの言った通りだな」
「なにが?」
「下着、透けてる」
言われてから自分の胸を見下ろすと、確かにピンク色の下着が透けていて。
「本当だ……。鏡見てないし気づかなかった」
「上着は? 借りなかったのか?」
「借りたんだけど、途中で暑くなって脱いじゃったから」
「種目は?」
「……バスケ」
恭ちゃんはまた少し顔を険しくして、大きなため息をついてから注意をする。
「いいか? 高校生ぐらいの男子なんかそういう事しか頭にねーんだよ。
どんな目で見られてるかぐらい、ちょっとは考えろ」
そんな事言えば、恭ちゃんだって十分そういう事ばっかり考えてるようにも思えるけど。
そう言おうとしたけど、湧き上がってくる嬉しさに、言葉を呑んだ。
だって、恭ちゃんが怒ってる理由を考えると、それだけで嬉しかったから。