甘い愛で縛りつけて
◇「おまえさ、俺が好きだって言ってたよな?」
「……あれ?」
ベッドで目が覚めて、最初に映ったのは天井。
でも、私の部屋とはライトも色も違っていて、ここが家じゃないって気づく。
私の部屋じゃないって、じゃあどこで寝てるんだろう。
っていうか、なんで寝てるんだっけ?
頭の中が疑問だらけだったけど、とりあえずここがどこかを知りたくて上半身を起こす。
頭がちょっとふらつく気がして、片手でおでこのあたりを押さえながら、部屋を見渡した。
私が寝ているのは大きなダブルベッドで、ベッドの上から見えるのは、ドアが二枚とテレビ。
恐らく……ホテル。
なんか、ドラマとか二次元世界ではお決まりのパターンってやつかもしれない。
酔って意識失って、そのままちょっと気になる人もしくは苦手な上司とかとホテル的な……。
そう考えて、ハっとして、布団の中の自分の格好を確認する。
けど、ブラウスもスカートもそのままで、さらに言えば下着もちゃんと着ているし、何かされた様子はなくて安心する。
「よかったー……」
「酔って倒れて何がよかったんだよ」
「え……っ」
ほっとして胸をなでおろした時、急に聞こえてきた声に驚いて、振り向いた。