甘い愛で縛りつけて
「そうだよ……。私、恭ちゃんが好き……。
だけど、バレた以上はどうする事もできないし、もう……」
「……本気で言ってんだよな、それ」
「本気だよっ! 嘘でなんか好きだなんて言わない!」
声を荒げて認めた私を、恭ちゃんが少し驚いた瞳で見ていた。
信じられないとでも言いたそうに見える恭ちゃんに、ポロポロと本音が口をついた。
「私だって分からないよ。恭ちゃんに触られるのが嫌じゃない自分に気づいて、恭ちゃんが他の人に優しくするの見るとイライラするようになって……。
気付いたら好きになってたんだもん……」
ずっと誤魔化して隠してきた気持ちを、全部さらけ出す。
狭い胸の中で膨らみ続けていた気持ちが出口を見つけた嬉しさからか、それとも伝えたところで結ばれない事を分かってる悲しさからなのか。
いつの間にか涙が浮かんでいた。
「昔の恭ちゃんを想っていた気持ちよりもずっと大きい気持ちで、今の恭ちゃんが好き……っ。
恭ちゃんが、好き……好――」
ぶつかるようにして抱き締めた恭ちゃんに、驚いて声が止まる。
呆然としている私の肩に、きつく抱き締める恭ちゃんの深く熱いため息がぶつかった。
何が起こったのか分からなくて、一瞬言葉を失う。
その後すぐに嬉しさみたいなものがじわじわと浮かんできたけれど、今こんな事をしている場合じゃないとすぐに考え直した。