甘い愛で縛りつけて
「もうこのまま俺のモンになれよ」
そう言い終わるや否や、再び唇を奪われてそのままベッドに押し倒される。
入ってきた舌が咥内を撫でまわすから、少し苦しくなりながらもそれに応えた。
さっきとは違う、激しくて少し強引なキスだった。
いつもは私をじらすように丁寧にゆっくりとするのに、今は違っていて。
強引で一方的で……でも情熱的なキスに、気持ちが昂ぶっていくのが分かった。
桜田先生の事を考えれば、こんな事している場合じゃない。
けれど、恭ちゃんへの想いがそんな理性を打ち消して、頭も心も、恭ちゃん一色に塗り替えてしまう。
恭ちゃん以外、何も見えないくらいに。
「実紅……」
合間に名前を呼びながらも何度も角度を変えてキスを続ける恭ちゃんに、胸の奥から愛しさが湧きあがる。
求められている事が嬉しくて。
「おまえ、何泣いてんの?」
いつの間にか溢れていた涙を、笑った恭ちゃんが指先で拭う。
その手を捕まえて頬を寄せた。
「恭ちゃんが好きなの……」
何度目か分からない告白に、恭ちゃんもなぜか切ない表情を浮かべて……それからなんとか微笑む。