甘い愛で縛りつけて
着やせするって言うって事は、恭ちゃんの裸を見た事があるって事で……つまり関係がある人って事だ。
それが分かってしまって、思わず他の誰かなんて言葉にした私に、恭ちゃんは少しバツが悪そうに答える。
「まぁ……そこは否定できないけど」
「別に怒ってるわけじゃないよ。ただ……ちょっと面白くないなってだけだし」
ちょっとどころか、ものすごく面白くないけれど、レベルを下げてそう言っておく。
だってそんなの完全なやきもちだし、恭ちゃんが悪いわけじゃない。
むしろ、恭ちゃんみたいにカッコいいのに経験が少ない方がおかしいし、だから、当然だ。
そうは思ってもなかなかやきもちが収まらなくてそのまま黙ると、恭ちゃんが私の顔を覗き込むようにして瞼のあたりにキスをする。
「……なに?」
「どうすれば実紅の機嫌が直るかと思って」
「だから怒ってるわけじゃなくて……」
「実紅は一回機嫌損ねたら頑固だからな。でも俺としては、こんな時なんだしできればもっと仲良くしてたいんだけど」
そう微笑む恭ちゃんが、私の尖らせた唇に軽くキスをする。
そんな近い距離から愛しげに、大切そうに見つめられたら……いくら頑固な私の機嫌だって直立してしまう。
「ごめん。昔の事なのにやきもち焼いたりして」
素直に謝ると、恭ちゃんはふっと笑ってもう一度キスをする。
でも、キスを終えるなり、私のやきもちなんて可愛く思えるほどの嫉妬心をむき出しにした。