甘い愛で縛りつけて


「俺、毎週木曜の放課後はここ開けてたんだ。そしたら何回かそうしてるうちに、戻ってきた時部屋に使用感が残ってて。
おかしいと思って張ってたら桜田がどうやって合鍵作ったんだか知らないけど、鍵使って男と部屋入ってったからああそういう事かって。
そん時は確か、一年の学年主任だったけど」
「え……っ、坂田先生?!」
「ああ、そんな名前だったっけ。
まぁでも、わざわざ注意すんのも面倒だと思って放っておいたんだよ。ただ、桜田が俺の事気に入ってんのは分かってたから、なんか変な事になったら使えるようにって音だけ撮っておいたんだ。
で、予想した通り今回の事が起きたから、脅し返してやろうと思ったってわけ」
「これ……本当なの? サッカー部部長となんて……」

生徒に手を出しているなんて信じられなくて聞くと、恭ちゃんは笑って答える。

「これ、三時間撮れるんだけど、サッカー部部長が物足りないなら他にも入ってるけど聞くか? 確か、野球部のコーチと水泳部の二年、あと二年の不良グループのふたりだかとしてんのが入ってるけど。
全員短いからすげー回数入った」

皮肉にも聞こえる恭ちゃんの言葉に笑えなかった。



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