甘い愛で縛りつけて



朝ごはんがまだだっていう話をしたら、恭ちゃんが適当に作ってくれた。
焼いたベーグルに、ベーコンエッグと簡単なサラダとヨーグルト。

カフェかってツッコみたくなるおしゃれなモーニングだ。

私が作ってもよかったのに、手伝うって言葉も出ないくらいに手際よく準備をするから、出番なく朝ごはん作りは終了した。
それを恭ちゃんと並んで食べて、食後にコーヒーを入れて。

着替えるっていう恭ちゃんを見ないように、ベッドの端っこに座って壁と向き合っていた時、恭ちゃんが「まだ気にしてんのか」と聞いた。

主語はなかったけど……それが何に対しての言葉なのかはすぐに分かった。
壁とにらめっこしながら「私がしつこいの知ってるでしょ」と返すと、「ストーカーしてたくらいだしな」と笑われる。

「もうその話やめてよ。私だって反省してるんだから」
「別に反省する必要もないだろ。俺は可愛がってたんだし」
「だって、恭ちゃんがしつこく言ってくるから!
恭ちゃん、変なところでしつこかったり真面目だよね。いつもは冷徹なのに」

ロフトから着替えを持って降りてきた恭ちゃんが、ベッドに服を投げ置いたのが音で分かった。





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