甘い愛で縛りつけて


確かに恭ちゃんが言ってる事は事実だ。
恭ちゃんの行為を拒絶したら、恭ちゃん自身を拒絶する事に繋がっちゃう気がして、行為中、拒否を表す言葉を意識して口にしなかった。

全部を受け止める事で、少しでも私の気持ちが伝わるならと思って、恭ちゃんの望むだけそれを受け入れたけど……。

いくら私の意思とは言っても、終わってみてそんな事を言われてしまうと、恥ずかしくて恥ずかしくて……穴があったら入りたい衝動に襲われる。

「そんな実紅を知ってるのは俺だけだって思うと、嬉しくて仕方ない」

ちらっと目から上だけを毛布から出して恭ちゃんを見ると、そんな私に恭ちゃんは微笑んだ。

ずっと前から……。再会した時から、恭ちゃんの言葉に小さな違和感を感じてた。
あまりにストレートで、強すぎる恭ちゃんの気持ち。

直接的すぎるから、最初は信じようとしなかった恭ちゃんの愛。

だけどそれは全部本当で、嘘なんかじゃなかった。
今になってようやくそれに気付く。

アレは、あの言葉達は……きっと恭ちゃんが怯えてる証拠だったんだと思う。
回りくどい言葉を、行動を選んでいられないほどに、恭ちゃんはきっと追い詰められてた。

私がどこかに行かないように、そのために言葉をくれてたんだ。
遠回りじゃなくて、直接私に届くように真っ直ぐな言葉を。

「恭ちゃんは、なんでそんなに私に拘るの?」


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