甘い愛で縛りつけて
「……本当に? 私が気持ち悪いって言い出さなかったら襲ってたよね」
「いや、本当にホテル入った時は介抱のつもりだったんだよ。
けどまぁ、そん時にはもうおまえに対して独占欲も生まれてたし、俺のモンにできるならしてやろうって考えが変わって。
もしかしたらおまえが言うSだとかの性癖も、多少はあるのかもな」
「絶対あるからいい加減自覚してよ」
最初にホテルに行った時。
警察に言うって言っても、学校に言うって言っても、恭ちゃんは動じなかった。
それどころか自らそれを望んでいるようにも見えた事を思い出して、疑問が浮かぶ。
恭ちゃんは……いつもどこか投げやりな気がして。
私の事は守ってくれるけど、自分の事はどうでもいいような……。
そんな事を思うなんて、私の勘違いだろうか。
そうも思ったけれど……決してそれは思い違いや勘違いではないと確信する。
恭ちゃんを見て、事務長がいつか言っていた“危うい”って言葉が頭をちらついたのは、一度や二度じゃないから……きっと私の考えている事は間違いじゃないハズだ。
「サドだとかそういう事が多少なりとも関係してるのかもしれないけど」
恭ちゃんがそこまで言って少し黙るから、心配になって、恭ちゃんを見上げる。
抱き締められたままじゃ無理だったから、少し離れて。
そんな私に恭ちゃんは微笑みながら続けた。