甘い愛で縛りつけて
「俺はおまえのそういう純粋な部分が好きで惹かれてたけど……。同時に俺の手で汚してやりたいとも思ってた。
他の男に見せるぐらいなら俺がって……」
首筋にかみつくように唇を押し付けられて、ひりひりとした痛みを感じる。
抵抗しないのは手を拘束されてるからじゃなかった。
抵抗する事で恭ちゃんを傷つける気がしたから……どんなに怖くても逃げたくなかった。
「おまえに救われるのは俺だけで十分だ。
……実紅、俺が今からおまえに何しようとしてるか分かるか?」
聞かれて……少ししてからコクンと頷く。
この部屋に連れてこられた時点でもう分かっていた。
恭ちゃんが私をどうしたいのか。
ううん。もっと前から分かってたのかもしれない。
恭ちゃんが、もし狂ったら自分から逃げろって言った時からずっと。
「恭ちゃんのお父さんと、同じ事……」
涙腺が壊れたんじゃないかってくらい、涙が止まらない。
涙のヴェールのせいで恭ちゃんが今どんな顔をしているのか分からなかったけれど……部屋に入ってきた時と雰囲気が少し変わったのは分かった。