甘い愛で縛りつけて
どんな事されたって、恭ちゃんに憎しみを抱いたりはしない。
見放したりなんか、絶対にしない。
これから先、何があっても。
今ここで、何をされても。
「もう、いい加減私を信じてよ……。
恭ちゃんが好きなの……。こんなに、恭ちゃんだけが好きなんだって、もう信じて……っ。
私の気持ちから、逃げないで――」
しばらく沈黙が続いた。
相変わらず機能しない視力のせいで恭ちゃんの表情の変化が読み取れなくて、ただぼーっと見上げていると、不意に影が近づいて……。
こつんと、恭ちゃんの頭が私の胸にくっつく。
雨のせいで少し濡れた恭ちゃんの髪が顎のあたりをくすぐる。
自分を落ち着かせようとしているのか、恭ちゃんは何も話さなくて。
そんな恭ちゃんに我慢できなくなって、お願いする。
「恭ちゃん、私逃げないからこれ外して。もし逃げようとしたらもう一度縛り付けて、もう解かないでいいから。
恭ちゃんだったら、簡単に捕まえられるでしょ?
だから……お願い」